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ssh1050 謹賀新年2017&10th Anniversary [ご挨拶&エッセイ]

<2017>
 みなさま、新年あけましておめでとうございます。実に久々にオリジナルの新記事をアップいたします。
 新年ということで、校長先生のご尊顔をご披露いたします。
DSCN2115 (1).jpg

 校長先生も寄る年波でお医者さんのお世話になることが多くなりました。2016年は目のトラブルに悩まされまして、毎日目薬を注してもらっています。

 さらにお詫びがてらのご報告。昨年10月にsshは開校10周年を迎えました。
 本来であればきちんとご報告とお礼をすべきところでしたが、それをしないまま年越しになってしまいました。
 原因は現在私が仰せつかっている、高等学校文化連盟関係(高文連)のお仕事です。
 これがもう、ホントに大変で。10月〜11月は忙殺という物騒な漢字が誇張じゃないというレベルの多忙さでした。




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ssh1049 面接で絶対やってはいけないことを安倍晋三に学ぶ(2) [面接]

<2017>

 ssh1048の解答編です。

 安倍晋三の②の回答は、①の質問に対するものとしてはまったく不適当です。記事タイトルがすでに結論をバラしちゃってますけど。
 面接試験なら、マイナス100点レベルの0点回答。面接試験なら一発不合格です。
 その理由は以下の通り。

1. 基礎知識に欠けている 
 質問①は難民問題についてのものですが、②で回答者は「難民」と「移民」をごっちゃに使っています。
 自らの選択で他国に移住する移民と、自国で迫害されて止むなく逃げ出す難民はまったく異質のものです。
 もし法学や政治学を志す受験生が、この程度の基礎知識がないというのであれば、マイナス50点くらいの減点を喰らうでしょう。

2. 質問と関係のない話をしている
 1.よりも大きな減点対象が②の第3文、「人口問題として申し上げれば・・・」の部分。
 私は最初このニュースを見た時、自分の見間違いではないかと思いました(マジで)。しかし安倍晋三は本当にこう言ったらしいのです。
 難民問題ですよ。どの脳細胞にどんなアクロバットをやらせたら、難民問題が人口問題として申し上げられるんでしょうか。これまでずいぶんいろんな高校生のトンチンカンなやり取りに付き合いましたけど、この安倍晋三のぶっ飛び具合は次元が違います。質問した記者も通訳が間違えてるんじゃないかと疑ったんじゃないですかね。
 とにかく、質問されたことと関係ないことを答えるのは大きな減点対象です。ここでさらにマイナス50点。

3. そもそも質問に答えていない
 では安倍晋三は②で一体何を述べたのか。
 (ア)難民問題は多国間で協力して取り組むべきである。 
 (イ)日本は移民(難民ではない)を受け入れる予定はない。 
 (ウ)日本は難民そのものが生まれないような取り組みに加担したい。
 ①の質問は「日本は難民を一部でも受け入れるのか否か」。質問者が聞きたいのはそれに対するYes/Noです。ところが、②にはそれがない。(ア)〜(ウ)のどれ一つとして、質問①の答えになっていないのです。
 質問に答えていない回答は採点対象外。最初から0点です。

 というわけで、(-50)+(-50)+0=-100で、マイナス100点レベルの0点面接という評価となります。
 これだけダメな回答のサンプルは、なかなかお目にかかれません。反面教師として非常に貴重と言えます。
 ずいぶんと世界に恥をさらしてくれたもんですな。


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ssh1048 面接で絶対やってはいけないことを安倍晋三に学ぶ(1) [面接]

<2017>
<ssh756再録>

◆◆安倍晋三首相は9月30日未明(日本時間)、国連総会の一般討論演説で、シリア・イラク難民の問題について、約8億1000万ドル(約972億円)の経済支援を実施する方針を表明した。
 演説後の記者会見では、外国人記者が、9月24日に安倍首相が発表した「新・3本の矢」とする経済政策について質問したあと、①「シリア難民問題への追加の経済的支援を表明したが、難民の一部を日本に受け入れることは考えていないか?」と質問した。
 安倍首相は「新・三本の矢」について説明して「新たな三本の矢を全力で放ち、新たな国造りを進めて参りたい」と述べた後、シリア難民問題への答えに移り、以下のように答えた。
 ②「そして今回の難民に対する対応の問題であります。これはまさに国際社会で連携して取り組まなければならない課題であろうと思います。人口問題として申し上げれば、我々は移民を受け入れる前に、女性の活躍であり、高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手があるということでもあります。同時に、この難民の問題においては、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております」(以下略 ハフィントンポスト日本版 2015.9.30. ①②はshiraによる)◆◆


 問題です。
 ①の質問に対しての回答として②は適当でしょうか。理由をつけて説明してください。
 ただし、②で示されている政策の是非や賛否を理由にしないこと。

 解答は次回。

ssh1047 ホンネを正直に認めることと、そこに甘んじないこと [リテラシー・思考力]

<2017>
<ssh469再掲>

 今回のテーマは「ホンネを正直に認めることと、そこに甘んじないこと。」
 これはすこし挑発的に言い換えると、
 タテマエとホンネは両方とも大事にせよ ということです。
 もっと言えば、
 首尾一貫するな、矛盾を甘受せよ ということ。

 ずいぶんとヘンテコなお話です。
 だって、一貫性のない主張は説得力がないと、sshでは常々言ってきたのですから。
 
 shiraも加齢で丸くなっちまったのでしょうか?
 いえいえ、とんでもない。
 タテマエとホンネを両立し、その矛盾を丸ごと甘受することで、初めて一貫した説得力のある意見は述べられるのですよ。


 1980年代というかなり古いネタですが、NHKで「暴力教師」という6回連続のドラマがありました。
 時任三郎演ずる熱意あふれる中学教師が、クラスのある男子生徒と階段の踊り場でもみ合いのようになり、生徒が階段から転げ落ちて大きなケガをする、というのがドラマの発端です。斉藤由貴演ずる雑誌記者の取材で教師が口にした一言が問題を大きくします。「体罰はやむを得ないものなんだ。」
 ストーリーはいじめの二重構造や親子関係のこじれも絡んであまり素直じゃない展開をします。で、当初はひどく悪意に満ちた記事を書いた記者が、第2回だか第3回だかで、こんなセリフを言います。

 「私、教師が嫌いなんです。」

 ドラマはここから、複雑に絡んだあれこれが少しずつ解きほぐされていくのですが、その中で斉藤由貴演ずる女性記者が状況を改善する方向に働きかけるようになっていきます。最初は叩いてやろうと悪意ムキだしで接していた教師たちに、彼女は徐々に理解を示すようになっていく。こじれた状況を収束するのに非常に大きな役割を彼女は演じます。

 で、そのスタンスの転換を象徴するのが、前述の「私、教師が嫌いなんです。」というセリフです。

 合理的に考えると、これは妙な話です。
 でも、私にはこのセリフがすごく納得できました。
 その時、彼女はタテマエの正義や大義で覆い隠して来た自分のホンネを吐き出したからです。
 自分のホンネを吐き出したから、他者との共感が生まれた。タテマエだけで他者とつながることは不可能です。

 他者とつながるには、共感が必要です。
 共感には、ホンネを認めることが不可欠です。

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ssh1046 同質化・同調圧力〜小論キーワード [小論キーワード]

<2017>
<ssh426再録>

 今回の小論キーワードは「同質化」と「同調圧力」。
 この2つは、特に若い世代が社会生活(学校生活を含む)で感じているストレスを考察するのに非常に有効です。

  実はどちらの言葉も、手元の辞書には載ってません。
 同質というのは、文字通り「質が同じ」ということ。
 「これらは同質の問題だ。」と言えば、これらの問題は何らかの違いがあるように見えても、実質的には同じような問題であるということです。学校だと「学習面の問題と生活面の問題は得てして同質だ。」なんて言い方があります。どちらも根は同じ、ということです。

 同質化というのは、言葉とおりに捉えれば、同じようなものになるという意味です。
 ただし。
 小論文のテキストでは、この言葉は大半が批判的な意味で使われます。つまり好ましくない同質化。

 例としては、
 ・グローバル化は、文化の同質化を伴う。
 ・画一的なカリキュラムは、生徒の個性を奪い、多様であるはずの生徒に同質化を促す危険がある。
 ・どの地方都市へ行っても全国チェーン企業の看板が立ち並び、風景が同質化している。  
などなど。
 小論テキスト的には、同質化というのは、没個性とか、多様性の衰退とか、オンリーワンを認めないという感じの文脈で用いられることが多いようです。

 教育関係だと、学校というのは生徒を同質化させやすいという指摘がよく行われます。
 同じ地区の同じ年齢の人間が集まる場である以上、どうしても同質化されやすい。
 しかも学校は、一定のカリキュラムに従って、1人の教員が40人かそこらの生徒に向かっている。どうしても「みんな同じ」にやろうとしがちです。
 みんなと同じようにするというのは、社会で生きていく上で大切なことでもありますが、度を超すとただのone of themとしてしか生きていけなくなります。
 学校のクラスは同質集団である、などとよく言われます。

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ssh1045 仕事の定義 [志望理由・進路選択]

<2017>
<ssh329再録>

 「お前、やりたいことはないのか?」
 「ゲーム!」
 「アホ!そういう意味じゃないわ!」
 
 「やりたいことを探せ」と言われて苦悩している高校生の皆さんのために、久々の志望理由書ネタです。今回のテーマは、仕事の定義。
 仕事ったって、もちろんジュールだのNmだのワットだのの物理話じゃありません。職業のことです。労働といってもいいか。
 冒頭のやりとりは数年前の私と息子のやり取り(脚色あり)です。当時息子は小学生、まあこの程度でしょう。息子もマヌケですが、小学生相手に「やりたいこと」をマジに聞く私も相当にマヌケです。この親にしてこの子あり。
 
 しかし、息子の答えはなんでマヌケなんでしょうか?
 やりたいこと=ゲームというのは、いたって誠実な答えです。(ゲームというのはWiiとかPSPとかのゲーム機のゲームです、念のため。)
 誠実ですけど、彼は私の質問の意図がわからなかった。私が聞きたかったのは、もちろん「どんな仕事をやりたいのか?」です。
 でも、現代であれば、ゲーマーって立派な仕事ですよね。


  ゲーマーはゲームをするのが仕事です。
 一方、今は中3になった息子は相変わらず「やりたいこと=ゲーム」に勉強そっちのけで血道をあげています。
 ゲーマーのゲームと、息子のゲーム。行為そのものはどちらも同じです。画面を見てボタンやコントローラーをカチャカチャいじくってるだけ。ゲーム機を見たことのない人が見れば、どちらも同様の不可解な行為に過ぎません。
 なのに、一方は有益な職業。他方は私がブチ切れてキカイを取り上げるようなムダな行為。
 その差はどこにあるのか?

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ssh1044 面と向かうと、人は言葉を選ぶ [リテラシー・思考力]

<2017>
<ssh216再録 初出2007年>

 帝京大学の浦野東洋一教授(東京大学名誉教授でもあります)の講演を聞く機会がありました。(注:2016年3月退官)

 と言っても、ここで書くのは、その講演の中のしごく些細な部分についてです。

 浦野教授の研究テーマは学校運営や教育行政ということで、日本中あちこちの学校で行われている様々な学校運営の取り組みを追跡調査しています。(学校運営です。校長権限による「学校経営」じゃありません。)
 で、氏が特に注目しているのが、長野県の辰野高校。ここには「三者協議会」なるものがあります。
 
 三者とは、生徒と保護者と職員。
 年数回定期的に開催されるこの協議会は、現在では地域の人たちや遠方からの傍聴者も多いようです。
 協議会では、生徒から授業改善の要求が出たり、職員から生徒の生活面への注文が出たりと、各々の立場からいろいろな議題が出されます。
 協議会はそれを協議します。ただし議決権はありません。
 重要な案件については、それぞれが持ち帰って、生徒会&職員会&PTAの会議で議論されます。

 
 実は私が面白えなあと思ったのは、この協議会に至る前のいわば失敗例の方でして。

 当初は生徒の参加は予定されていなかったんだそうです。
 最初にやったのは、地域の方々と職員との意見交換会。
 ま、さして珍しくもない企画ですが、これが、大失敗だったんだそうです。
 「おたくの生徒が○○をして困る」というような、クレームの集中砲火で終わっちゃったんだそうで。

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ssh1043 石原慎太郎は人間のクズだ [社会]

<2017>
<ssh434再編 初出2011年>

◆◆大震災は「天罰」と石原知事 「津波で我欲洗い落とせ」(河北新報 3月14日)
 東京都の石原慎太郎知事は14日、東日本大震災への国民の対応について記者団に問われ「我欲で縛られた政治もポピュリズムでやっている。それを一気に押し流す。津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う。被災者の方々はかわいそうですよ」と述べた。

 知事は一連の発言の前に、持論を展開して「日本人のアイデンティティーは我欲になっちゃった。アメリカのアイデンティティーは自由。フランスは自由と博愛と平等だ。日本はそんなもんない。我欲だよ。物欲、金銭欲」と語っていた。

 同日、この後に開いた記者会見で「天罰」の意味について「日本に対する天罰だ」と釈明。「大きな反省の一つのよすがになるんじゃないか。それしなかったら犠牲者たちは浮かばれない」と話した。天罰について発言した際、「『被災された人は非常に耳障りな言葉に聞こえるかもしれないが』と言葉を添えた」としたが、実際には話していなかった。◆◆


 よくもこんな人非人に12年も都政を任せてくれましたね、東京都民のみなさん。
 私はハラワタが煮えくり返って完全に冷静さを失っています。
 この災害を、この時期に、自説を展開するためのオカズに使うんですね、この畜生野郎は。
 こういうのを「我欲」と言うのでしょう。
 人間のクズです。

 私は今、「殺意」を感じています。
 こんなに強く、一人の人間を「生かしておきたくない」と思ったことは記憶にない。
 今度という今度は、絶対に許せません。
 彼にこそ「天罰」を。

 まさかこんなケダモノにまた都知事をやらせるつもりじゃないでしょうね、都民のみなさん。

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ssh1042 痛い目に遭わないとわからない、としても [リテラシー・思考力]

<2017>
<ssh189再録 初出2008年>

 今や大ベストセラー作家となった藤原正彦氏が、以前新聞にごく短いコラムを書いていました。
 その中で気に入ったものを1つスクラップしてあります。もう何度か高校生にも読ませたコラムです。

 テーマは、
 「他人に迷惑をかけてはいけない」とよく言われるが、では「他人に迷惑でなければ何をしても良い」のか
 藤原氏はこれを、道徳論や心の問題としてでなく、純粋に論理的に(言い換えると数学的に)その答えはNOであるとしています。

 と言っても、短いコラムですから、話はしごく簡単。
 「AはBである」からと言って、「BはAである」とはならない。
 数学的に言うと、「AはBである」という命題が真であっても、「BはAである」という命題が真とは限らない。逆は必ずしも真ならず、というヤツです。
 「アメリカ大統領はブッシュ氏だ」は真、「ブッシュ氏はアメリカ大統領だ」も真。これは逆もまた真なりの例。
 しかし、「雪は白い」は真だが、「白いものは雪だ」は真ではない。白いものは雪以外にもいっぱいあります。
 「出来の悪い学生の答案も白い」とは藤原氏の文面。

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ssh1041 貸与奨学金も持ち家政策も終身雇用が前提 [教育問題]

<2017>
<ssh371再録 初出2010年>

 奨学金は貸付ビジネスとしては成立しない、なぜなら借りるのは貧乏人の子どもたちだからもともと返済能力は期待できない。奨学のための奨学金は給付型にせざるを得ない―というのがssh1040「貸した奨学金は返らない」の論旨です。

 この意見には今でも変更はありません。貧乏人にも教育の権利を認めるなら、なんとか財源を作って奨学金を給付型にせざるを得ない。それがイヤなら純粋に教育ローンとして運営し、「貧乏人は学校へ行くな」と国家レベルで教育権の否定を宣言することです。
 まあ、教育権を認めないとなれば、もう先進国とは言えないから、非先進国宣言をしてOECDから脱退した方がいいでしょうね。そうすればPISAテストも参加しなくていいから、順位低下を気にしなくていいかも。っと、これは言い過ぎか。

 ご存じの通り、日本は貸与型奨学金中心のシステムで長くやってきました。で、1980年代くらいまでは、それで一応うまいこと回っていました。
 なぜうまく回っていたのか?理由として考えられるのは以下のようなこと。
1 貸与型とはいえ、免除職(教育職に就くと返還免除)や特別奨学金(全額を返す必要のない奨学金)など、実質的に給付型のシステムが併用されていた。
2 大学の学費が現在に比べはるかに割安だった。我が国の大学の学費は、物価スライド率をはるかに上回るハイペースで値上げされてきた。本年の消費者物価指数は1975年の約2倍だが、国立大学の授業料(入学金含まず)は年額535800円と、1975年(年額72000円)の7倍以上である。
3 経済が発展段階にあり、まじめにやっていれば卒業後の就職はほぼ確実であった。
4 これが本題だが、終身雇用制度であったため、収入がそれほど大きくなくても、時間をかけて借りたゼニを返すことが十分に見込めた。 
 

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