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ssh1037 実践トレーニング〜小学校英語必修化を論ずる(2) [小論文]

<2017>
ssh59再録 初出2007年

 ssh1036の攻略法を解説します。
 モデル答案はありません。どんな攻略法があるかを知ってください。

<テーマを絞ろう>
 英語教育というのは、やたらめったらと語りようのあるネタです。
 誰にでも何かどうか語れます。
 そのくせ、誰にも決定版のような意見が言えません。
 
 しかし、今回のテーマは、小学校で英語を必修にすることの是非です。
 決して、日本の英語教育全体を対象にしているのではありません。
 ここでは、グッとガマンして、このテーマだけを考えていくのが得策です。
 でないと、確実にとっ散らかります。
 小学校英語必修だけに絞るのですから、例えば、現在の英語教育全般への批判などはあまり展開しない方がいいです。
 というか、そんな紙幅はありません。

<ターゲットを決めよう>
 ターゲットというのは、まさしく標的です。
 今回のテーマの、ここを狙ってバキューンと弾を打ってやろう=ここを攻撃してやろうという、そのターゲットです。
 今回のテーマなら、ターゲットは、3つ選べます。
 ターゲット1: 小学校
 ターゲット2: 英語
 ターゲット3: 必修
 このどれかをバキューンと狙い打って、穴を作ります。そこが突破口となります。

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ssh1036 実践トレーニング〜小学校英語必修化を論ずる(1) [小論文]

<2017>
ssh57/58再録 初出2007年

 小論文の実践トレーニングをやってみましょう。テーマはこれ。

 「小学校で英語を必修にすべきだ」という意見があります。これについて、あなたの考えを述べなさい。

 対象となるのは、外国語系統と教育系統の受験者ということになりますか。
 ただし、わずか47文字(句読点込み)のテーマではありますが、いろいろ誤解のネタや突っ込みどころがありますので、そこについてのヒントは与えておきましょう。

 ・必修科目というのは、全員が必ず授業で学ぶという意味です。(希望者だけが学ぶものは「選択科目」と言います。また、例えばこの3つからどれか1つを必ず学ぶというようなものは「選択必修科目」と言います。ちなみ、高校の英語は必修でなく、選択必修です(外国語の中から1つを選択)。
 ・このテーマでは「何年生から」「どのくらい」「どんなやり方で」必修にすべきかは一切触れられていません。
 ・テーマで必修にすべしと主張されているのは「英語」です。「外国語一般」ではありません。
 ・同じく、「小学校で必修にすべきだ」という主張です。学校外での、例えば塾などで学ぶことについては触れられていません。
 ・ちなみに、現文部科学大臣は、この意見には消極的です。
 ・「あなたの考えを述べなさい」というのは、もちろん、意見と論拠を述べなさいという意味です。


 以下、考える上で取っ掛かりとなりそうなネタを挙げておきます。

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ssh1025 コラムを読もう [小論文]

<2017>
<ssh128加筆再録>
*初出は2007年


 大学の推薦入試のピークは11月上旬です。出願予定の人は、対策が必要な時期です。
 
 「小論文は一朝一夕に書ける物ではない。早い時期から準備をしておくべきである。」一般論としては事実です。確かに、準備は早い方がいいです。
 でもさあ、英語や数学やその他の対策だって、一朝一夕にゃあいかんでしょうに。
 私のさほど長くもない経験からすると、教科学習こそ早くからしっかり勉強しておくべきだと思います。特に英数国。
 別に小論の対策なんかラクだ、というんじゃないです。
 ただ。具体的な出願先が決まって来ないと、小論の対策って、うまくいかないんですよ。特に、学部学科が絞られてないと、すごく大変。
 今、推薦の出願を予定している人の場合は、もう具体的な出願先が決まってるはずです。これなら本格的な対策ができます。
 今までこれといった小論の勉強をしていないという人も、落ち込む必要はありません。「この大学のこの学部学科に行きたい!」と強く思っている今こそが対策の時期にはベストです。

 さて、その対策として、今すぐにでもできることを1つ。
 新聞や雑誌のコラムを読みましょう。

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ssh1002 小論文のウルトラ基礎 [小論文]

<2017>

 ssh4〜8として2006年にアップした「小論文のウルトラ基礎」を再編して公開させていただきます。

■■■
 小論文の入り口でつまづいている人には、まずとにかく、以下の形で1回書いてみることを進めます。

 原稿用紙の一番最初に自分の意見を書きなさい。
 あとの部分はすべてその「理由」を書きなさい。


 意見というのは「私はこうするのがいいと思います」ということ。理由というのはそのものズバリ、私がそう思う理由です。理由は「論拠」なんて呼ばれます。
 論拠に原稿用紙の大半、できれば80%以上を使いなさい。それ以外のことは一切何も書く必要はありません。

 こうすると、実にいろいろな困難が出てきます。
 まず、意見をはっきり言わねばなりません。ニュース番組のまとめよろしく「慎重な対応が求められます」なんて無責任な言い方はNGです。それでは意見になりません。
 意見というのはあくまで「私はこう思います」とはっきり言わねばなりません。これはふだんの学校のお勉強では求められないことですし、大人の世の中のおつきあいではむしろはっきり言うとカドが立つことです。
 しかし、小論文でははっきり言わねばなりません。
 もし小論文の出題で「あなたが先生で、どんなに注意しても物を壊すことをやめない生徒がいたとしたらどうしますか?」と問われたら、とにかくはっきりと「私はその生徒を殴り倒します」とか「私はとことんその子と話します」とか「私は何もしません」とか言わねばなりません。乱暴でも何でも、明確な意見のないものは小論文とはみなされません。
 
 意見はどんな内容でも構いません。「意見」に正解はありません。
 なぜ?
 小論文は「正解のない問いに答えようとする能力」を問うためにあるからです。
 入試の小論文では、いろいろな意見のあるような題材=正解なんかないと言う題材だけが選ばれます(これ重要)。
 先方が求めているのは、好ましい意見ではなく、「私はこれこれこういう理由でこう思います」という論拠をがっちりと組み立てられる能力です。

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ssh681 政権やメディアを見習うと小論入試で落ちる [小論文]

<2014>

 

 本当はね、本当にね、こういうことは言いたくないんですよ。

 でも、言わないといけない。そうしないと、生徒が不幸になりますから。

 これから小論文入試に望む受験生のみなさん、現在の政権と中央メディアの言説を絶対に見習ってはいけません。

 そんなことをしたら、確実に落ちます。断言します。


 政権やメディアを見習ってはいけない理由はいくつもあります。

 1つ目は、彼らに一貫性がないこと。

 小論文は、具体的な論拠によって自分の意見を主張する意見文です。論拠に一貫性がなければ、説得力は出ません。

 ところが、困ったことに、現在の政権と大手メディアは、一貫性というものをひどく軽視しています。

 先月来、朝日新聞の「誤報」問題が騒ぎになっています。現政権も多くのメディアも、朝日新聞に対して反省と謝罪を強烈に要求しています。

 しかし、当の彼らが誤報や虚言をずいぶんたくさんやらかしています。

 晋三坊ちゃまからして、フクイチ事故の時に当時の菅直人首相が官邸から電話をして海水注入を止めさせようとしたと自身のメルマガで配信してますけど、これは「吉田調書」とは全く異なっています。でも坊ちゃまは訂正も謝罪もしてません。

 で、まったくおなじ誤報を読売新聞もやらかしているのですけど(これは坊ちゃまのメルマガをそのまま鵜呑みにしたせいらしいです)、やはり訂正も謝罪もしてません。

 石原慎太郎も例の「ババア発言」で誤解に基づいた言説を垂れ流したのですけど、都議会で指摘されてなお訂正も謝罪も拒否しました。

 自分のミスに訂正も謝罪もせず、他人のミスには訂正と謝罪を執拗に求める。こんな一貫性のない姿勢は、受験生は絶対に真似てはならないものです。

 ミスをしたら訂正し謝罪するのが正しい。そう主張するのなら、自らのミスも訂正し謝罪する。これが一貫性ある、範となる姿勢です。


 

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ssh679 思ったことを書くのと、考えたことを書くのは全然違う [小論文]

<2014>

 

 10月です。推薦・AOの出願ハイシーズンです。

 現任校でも多くの生徒たちが先生たちの指導の下、志望理由書やら小論文やら自己PRやらレポートやらの指導を受けています。時にベソをかきながら頑張る高校生の姿は、いつでもどこでも同じです。

 

 志望理由書にしても小論文にしても自己PRにしてもレポートにしても、ホントに書くのは大変です。

 それに比べりゃ、ツイッターだのコメントだの書くのは楽チンです。ブログだってただの日記なら苦労はありません。

 

 ssh561 作文上手の子が小論文で苦労する は、中学まで作文が達者だった生徒が小論文で案外苦労するというお話です。義務教育の作文でもっとも評価されるのは「字がきれいで学校で習ったことを遵守していて表現が工夫された成長物語」であり、そういう作文を書くことを骨肉化してしまった生徒はそこからなかなか抜け出せないのではないかという私の考察を書きました。


 ツイッターやらコメントやらが簡単なのは、思ったことを書くだけだからです。

 小論やら志望理由書やらを書くのが大変なのは、考えたことを書かなきゃいけないからです。

 思ったことを書くのは、ラクです。

 考えたことを書くのは、すごーく面倒です。

 最大の差は、考えたことを書く場合、調べて確認するという作業が必要であることです。


 

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ssh571 聞く側、書く側が変わっていくことの力 [小論文]

<2012>

 

 高校の総合文化祭というイベントで、とある高校の放送部の作品を聞く機会がありました。

 これが、すごく良かった。

 その高校はいわゆる進学校なのだけれど、定時制も併設されていて、全日制の生徒だけが部員の放送部(担当は女子生徒)は、同じ学校でありながらほとんど接する機会のない定時制の生徒を追ってみるという企画を立てた。自分たちの知らないいろいろな世界が見えてくるのではないかと期待したのでしょう。

 取材対象に選んだのは、ボランティア活動をしている19歳の男子生徒。

 ところが、始めてみると、まったく想像していないヘビーなインタビューが展開して行った。

 彼は幼いころに両親が離婚し、父親からは虐待を受けていた。平和な家庭で学業や部活動に専念できている彼女には、おいそれとは受け止めきれない重さだった。

 あまりの重さに耐えかねて、取材を終わりにしようかと思ったとき、彼が2回の自殺未遂をコミットしていることを告白する。インタビュー後に彼から「聞いてくれてありがとう」とメールをもらった彼女は、取材続行を決心する。

 

 いいインタビューでした。男子生徒の語りを主軸に据えて装飾的な要素を廃してありました。

 この作品は全国大会で最優秀賞を獲得したそうです。

 ただし。

 なぜそれほど高い評価を得ることができたのか、その理由を、製作した放送部員たち自身も明確にはつかんでいないように思えました。

 

 私にはすぐわかりました。

 このインタビューによって、聞き手である放送部の女生徒が変わっていくのがわかるからです。

 彼女は、彼の話を聞くことによって、成長している。

 聞き手の側が変わっていく様子がありありと伝わってくるから、聞いた人たちは感銘を受けたのです。


 

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ssh566 書けなくても考えられなくても、気にし続ける [小論文]

<2012>

 

 推薦・AO入試シーズンです。生まれて初めて本格的に小論文に取り組んでいる人もいることでしょう。

 小論文のHOW TOについては、過去記事が参考になるかもしれません。読んでみて下さい。

 

 小論文は、テクニックや暗記では書けません。自分でいろいろなことを調べ、自分で問を立て、自分でそれに答えを探し、さらに新たな問を立てそれに答え、それを繰り返して、ようやく自分なりの意見と論拠を立てるという、実に地味な作業を必要とします。

 小論文の指導をする側である私のような者にとっても、この作業はなかなか大仕事です。ましてや初めて小論に取り組む人には、相当大変な仕事のはずです。

 

 そういう大仕事ですから、考えても考えても、なかなか先に進まないということが、ままあります。

 というか、ものを考えるという作業は、かなり頻繁に壁にブチ当たります。

 

 小論文のトレーニング課題をもらって、それについて家に帰ってから考えて考えて、いよいよ壁にぶち当たってしまった。

 そんなとき、あなたならどうしますか?

 

 それでも頑張って考え続ける?それは素晴らしい。立派なことです。

 でも、考えて考えて、それでも先に進まなくなっている時、さらに考え続けてその先に行ける可能性は、かなり低いです。

 テストだったら制限時間いっぱいまで考え続けるしかないですけど、一晩中考えたって、たぶん先には進まないです。

 そもそも考えが壁に突き当たっているときは、気持ちが暗くなってます。そういう時は、あまりいいアイディアは浮かびません。

 

 じゃ、もう諦めちゃいましょうか?でも、それも悔しいですよね。

 

 以前、小論指導を少しだけ担当した、すごく優秀な生徒がいました。

 この生徒は合格後、こういうメッセージを後輩に残しました。

 小論トレーニング中は、いつも頭の片隅に気になる考えを置いていたと。


 

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ssh561 作文上手の子が小論文で苦労する [小論文]

<2012>

 

 小中学校で作文が得意だった子の中に、小論文でひどく苦労するケースがあります。

 それも、かなり頻繁に。

 

 ちょっと考えると、不思議な感じですよね。

 テーマはずいぶん違うにしても、原稿用紙に文章を書くことに違いはないのだから、作文がまったく不得手だった子よりは、作文の得意だった子の方が上達も早そうな気がします。

 ところが実際には、作文上手の小論下手という生徒は、ものすごい苦労をします。作文からして下手だった生徒よりも上達が遅いくらいです。

 

 「vocabow小論術」の吉岡友治先生は、小学生時代に作文が大の苦手で、作文の宿題は全部母親がゴーストライターをやってくれたのだそうです。なのに今は法科大学院や司法試験の論文をも指導する大家です。

 吉岡先生とは全然レベルが違いますが、私も小中学校と作文は大嫌いでした。デキも悪くて、褒められたことはほとんどありません。私がものを書くことでいささか評価してもらえるようになったのは、高校で小論文を書いた時からです。

 

 

 作文上手は、なぜ小論で苦労しがちなのか?

 私の推察は、作文上手は無意識に「作文で評価を得るコツ」をつかんで、それを骨肉化してしまったからではないか?というものです。

 

 実際に一生懸命指導している小中学校の先生方には身もフタもない話で申し訳ないのですけで、小中学校の作文で高い評価を受けるコツというかツボというのは、割と明確です。

 

 まず技術面では、学校の先生の教えたことをきちんと理解しているということをアピールすること。具体的には、

  • 字がきれい。
  • 国語で習った漢字が正しく使われている。
  • 原稿用紙の使い方が正しい。
  • 国語で習った語句・表現が積極的に用いられている。
  • 作文指導で習ったテクニック(一文はあまり長く書かないとか)を実践している。

 その上で、特に強いアピールを持っているのが、次の2点。

  • 表現がちょっと工夫されていること。
  • 成長物語であること。

 この2つについては、ちょっと解説が必要です。


 

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ssh547 「プレゼンする力」をプレゼンする力(4)〜柳井正のプレゼン力  [小論文]

<2012>

 

 ssh543に始まったプレゼンする力をプレゼンする力シリーズ、いよいよ最終回。

 3人目は飛ぶ鳥を落とす勢いのスーパービジネスマン、柳内正。冒頭から鼻息荒いです。

 

 ◆◆ユニクロが世界一を目指す原点は、私が生まれ育った山口県宇部市にあります。宇部は炭坑の街でした。主力産業が衰退し、人口は減っていった。従業員の住宅がなくなり、友人は家族と一緒にいなくなった。主産業の衰退は悲惨です。

 その風景がいま、よぎります。日本経済がいい時代は海外進出は片手間でよかった。でも、これからは国内だけでは生き残れません。***

 グローバル人材に求められるのは、人種、文化、宗教を問わずコミュニケーションができる能力です。***

 今、海外で活躍する日本人が少ないのは、プレゼンができず、リーダーシップを発揮出来ないからではないですか。

 我々は年2回、グループ全社員三千人が参加する「コンベンション」を開いています。海外の事業所、店舗の人間も参加します。経営方針を伝える場でもあるのですが、役員と社員の意見交換、討議の場も設けています。意見交換では、やはり外国人社員の発言が目立つ。最近、ようやく日本人も主張するようになりました。***

 企業活動が外国に出なければ生き残れないと変わったのだから、教育も変わらなければならない。横並び教育は、世界最悪です。競争させなければいけない。音楽でも、趣味でも競争させる。競うことによって他人とは違うことを考え、相手に伝え、実践するようになる。

 座って知識を習得するだけでなく、学んだ知識から判断力、理解力を養い、それを語り、実行する教育に変えるべきです。

 今の教育は、子どもや学生を社会と隔離してしまっている。子どもの頃から外国人と接する機会を作る。教室の外や生活、生き方を教える。そんな教育に早く変えなければ、国際社会から取り残されてしまう。このままでは二等国、三等国に成り下がってしまいます。◆◆

 

 

 この柳井のプレゼン、みなさんの採点はどうでしたでしょうか?

 さすがに歯切れがいいですね。ビシビシと断言して畳み掛ける話術は、さすが世界屈指のビジネスマンです。こういうスピード感あればこそグローバル競争にも連戦連勝なんでしょう。自社の「コンベンション」でプレゼン教育をしているというのも、口先だけじゃないぞということで立派です。ビジネス畑の人にとっては、かなり共感できる内容かもしれません。

 

 その柳井のプレゼン、私の採点は0点です


 

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